精子凍結について
人工授精(AIH)や体外受精において、処置当日にパートナーが不在またはその他の理由により採精が困難な場合、事前に精子凍結を行うことが有用です。
当院では、ご夫婦の治療に用いる場合のみ精子凍結を実施しています。
*未婚男性の精子凍結には対応しておりません。
凍結方法
凍結における精子へのダメージを緩和するため、精液に保護剤を添加し、-196℃の液体窒素中で保存します。半永久的に保存することが可能です。
凍結保存した精子を使用しても、先天奇形などの異常の頻度が増加するという報告はありません。
メリット
パートナーが不在の場合でもAIHや体外受精の実施が可能です。
乏精子症や精子無力症の方でも複数回精子凍結を行い、まとめて使用することによってAIHや体外受精での運動精子数を増加させることができます。
抗がん剤・放射線治療などで将来精子へのダメージが予想される場合に備えて凍結保存することが有用です。
デメリット
凍結融解後の精子運動率は、凍結前よりも低下します。
凍結前の精液所見では体外受精の適応でも、融解後や調整後の所見次第で顕微授精になる場合があります。
費用
・凍結1回分:11,000円(消費税込・1年間の保存料含む)
*体外受精に使用する場合は、保険適用となります。
・延長保存料:11,000円/1年(消費税込)
*1年単位で保存期間の延長が可能です。
使用について
凍結精子を使用する場合は、その都度、当院所定の融解同意書を提出していただく必要があります。
保存期間の延長について
保存期間は、凍結保存開始日から1年間となります。
保存期間の延長を希望される場合は、保存期間満了日までに、当院所定の「凍結精子延長保存同意書」の提出と「延長保存料」のお支払いが必要です。延長手続きが完了しましたら「延長手続き完了通知」をお渡しいたします。
保存期間満了日までに延長の手続きが完了しない場合は、保存継続の意思がないとみなされ破棄となりますのでご注意ください。
*同意書は、「各種様式ダウンロードforward」のページからダウンロード可能です。